できない男 額賀澪
- できない男 (集英社文芸単行本)
- 集英社
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仕事も恋愛もできない男
仕事はできるけれど覚悟ができない男
広告会社のデザイナーという職業は同じでも境遇・環境が違う二人…
とまあサクッと言えば「お仕事小説」なんですが…
同じ作家の『ヒトリコ』を読んだ後ではどうにもこうにも霞んでしまう。
この作者に限らずデビュー作というのものは作者の「書きたい!」という
熱量・勢いと言った無限のパワーが秘められており、
それは文章の拙さを差し引いても評価されるべきポイント。
けれど作家生活を数年続けていればある程度の「慣れ」というか「やっつけ仕事」
「手堅さ」がイヤでも身に付いてしまうのはこの仕事だけに限った事では無いけれど。
そんな「雑さ」が本人は気がついていないのかもしれないけど読み手には伝わってしまう。
実際他の作家で似た様な設定の本を読んだな…と思いながら読んだし。
それが誰の何という本だったのか、というのが思い出せない点でいわゆる
「読み捨てられる」ただの一冊になってしまっているということ。
圧倒的な熱を持った本は絶対に読者の心に残る。
というわけでもしこの本を先に読んでいればそれなりの評価だったのかも
しれないけれど『ヒトリコ』は超えることは無い。
もっと言えばラストがイマイチすぎ。
人の心の痛みがわかる作家だと思っていたのにこんな風に人を傷つける
様な事をして自分さえよければいいのか!と言う終わり方に納得がいかない!
「できない男」どころか「最低な男」!
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