行きつ戻りつ死ぬまで思案中 垣谷美雨

- 行きつ戻りつ死ぬまで思案中
- 双葉社
- Digital Ebook Purchas
2023年発行
キャッチーなタイトルで人気の作家さん、の認識で借りたらエッセイだった
有川さんがクラスにいる「自衛隊オタ」全開のちょっと変わっているけど人気のある子だとしたらある日突然「宝塚布教」を始めても「はいはい、有川さんだから」で終了するタイプ
一定の人気を誇っているのでもはや「有川信者」しか読まないので少々のことを書いても「ファンブック」扱いで済む
一方こちらはお勉強はできる真面目な子だけれど目立たないモブ系女子
日直の日誌に「今日、掃除をサボる人が居ました…」と延々と誰とは書かずとも描写だけしつつも読む人が読むとああ、誰それこの事ねとわかってしまう様な書き方をする子
そして最後はきちんと「いい子」ぶって「みんながきちんと掃除をすればきれいな学校になって気持ちよく通えると思います」で締めくくる
後日、先生に呼び出されたサボった子が「アンタがチクったんでしょ!」と言えばキョどりながら「え…違う。そんなつもりで書いたんじゃ…」という展開がめちゃくちゃ想像できるエッセイだった
というのも初期の段階でどこかのデパートでお菓子を買って包むことを依頼するとあまり色よい返事がなかったものの(勘のいい人なら「では結構です」と断る情景)店内を2周した後、店員の動作を観察していたらあまりにもドヘタな包装っぷりで呆れた…という流れ
自分が包装に自信があるのなら受け取り時に「新しい包装紙を下さい」と言えばよかったのでは?と著者自身の対応に対して突っ込みそうな話だった
その段階でモヤモヤしながら読んでいるのに次の話もちょっとお高い服を買って袖をお直し依頼したら「クリーニング屋でもできますよ」と2回も言われてその意味(真意)を理解せずにまたもや「まち針」を打ってもらう流れになるという…
この人、学習能力無いな
最終、オチは他の客が来たのを幸いに店をとんずらしたことに対してだけ「自分は非常識だった」と「良い人ぶる」のであるが、読んでいる側としては「作業している段階でお直しの経験が無い!とはっきりわかるのだから強く言えなかった(別の対処法の提示をしなった)あなたの方が悪いでしょ!」という感想しかなかった
書かれている部分が少しでも離れていればまだしも包装紙の次にこのお直しが書かれていたので「未経験者に当たって愚痴を炸裂させる(私なら「未経験者を一人で店番させるな!!!!!」と書くと思う)わけでも無ければ、店員に堂々と意見できなかった自分はまだ60代だから=ひよっこだから言えなくてもいいよね」と正当化するところにうんざりして読むのは止めた
この著者の「ネチネチと作家のサガで細かい描写を書く=性格悪い」のはご本人は無自覚らしい
p33で既にこの著者の本『リセット』を読んだ昔の勤め先の後輩が感想を述べている部分がある
「先輩が書いた『リセット』を読んで、女の嫉妬深さや陰湿さの表現が上手で、さすがだと思いました。やっぱり女同士って陰で何を言われているか分かったもんじゃないですね」
私はポカンとした。
「それは何のこと?『リセット』の中に女同士の陰湿な足の引っ張り合いなんて場面が出てきたっけ?」
著者である私が質問してしまった。
今度は相手がきょとんしている。
「嫌だ。書いてあったじゃないですか。そもそも女三人の物語なんだし、女同士って何だかんだ言ってアレですよね」
アレって何?
私は女の集まりが陰湿だという発想自体がなかったので、予期せぬ感想だった。どの箇所に書かれてあったか聞くと、
「服装の趣味が悪い女が出てくるでしょう。それを陰でバカにして笑う場面ですよ。女って表面上はニコニコしてるけれど陰湿ですよね」
確かに、裾のぐるりに浮世絵がプリントされた洋服を着た女性が登場する。毅然とした秀才だが、服装のセンスだけは最悪だ。それをユーモアたっぷりに描いたつもりだった。それを見た女性が、変な服だと感じる描写があるにはあるが、馬鹿にしたという狙いはなかった。
主要な登場人物は女性3人であり、性格も境遇も能力もそれぞれ異なっているが、私から見れば3人とも必死に生きている真面目な人物であって、彼女らの間に陰湿なものなどかけらもないつもりだった。
100歩譲って、私の文章が下手なせいで陰湿に感じたとしても、長編の中でその部分はほんの数行だった。それでも後輩女性にとっては最も印象に残る部分であったということだ。
『リセット』を書いたのは、デビューして間もない頃だので、私に表現力が足りないから読者に誤解を与えているに違いないと思い、その時は反省した。
(中略)
一般的にいって、小説というのは、著者の経験や性格が如実に反映される。だがそれだけではなかった。書き手だけではなく、読み手の性格や考え方も色々よく浮かび上がってくるのだ。
読者は自分の都合のいいように解釈して読んでいる。リアリティがないと決めつけるのは、読者が知っていることや想像できる範囲を超えているということだ。
長くなるので引用はここで終わらせますが、結局この作者、自己正当化するのがお好きなようで
一瞬反省したように見えても、結局「私は悪くない」と開き直るところは私の母親に似た性格なんだと思う
上記の引用と同様に「バカにしたつもりはなかった」って私が母親にクレームを付けた時にも同じことを言っていたっけ…
本人は無自覚でも言葉の端々に性格の悪いのがにじみ出てるんですよ
言い換えると会社に居た時もその片鱗があって後輩は「さすがですね」と最大の誉め言葉を送ってくれたんだと思いますよ

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