Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

政略結婚 高殿円

政略結婚
政略結婚
KADOKAWA
2017-06-24

幕末から明治・大正、そして昭和と、激動の時代を背景に三人の女性たちの生き様を描いた本書は、結婚という逃れられない枷との闘いの記録とも読み取れる、迫力に満ちた長編作である。



という3部作で構成されているのであるが、
高殿さんの本を連続して読んでいたが最後の最後に
「小説」としては一番面白くない本だったなあ…という感想。
華族制度という知っているようで知らない「歴史」を知る手段
としてはいいのだが…


ただ時代によって「女の生き方、価値」といったものが
どんどん自分の意思とは全く関係なく変わっていく中で
その中でも自分らしく生きよう!とするモデル像?


江戸末期なら「お家存続」が何より重要だったのが
武士が廃止され明治になれば華族と呼ばれるようになり、
昭和になると戦争で一切を失う…
何もせずともただただプライドと見栄だけで生きていけた
時代から自分の手で何かをつかまないと生きていけない時代に…


それこそ今「年金2千万」問題が浮上しているが
苦労してやっと二千万以上貯めたのに政府の方針で
「二千万以上持っている人間は課税」の一言で
没収レベルに遭って二千万貯めていない人より
手元が少なくなった…なんてこともあり得る。
その二千万を仮想通貨で貯めていたのが一瞬で消滅する
場合だって考えられる。
今までの価値観がごろっと変わった中で、いかにたくましく
生き残れるか。
そんなことを考えた。