Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

RDG6 レッドデータガール6 星降る夜に願うこと 荻原規子

荻原規子

RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)
RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (角川文庫)
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いや~長かった!!
これを心の底から「面白い!」と読んだ人に敬意を表する!!
アニメ編では今回の「クリスマスパーティ編」はカットされていたけれど
6巻の最後の最後に「伏線の回収」をしていることはしているけれど
相変わらず「もやッとした表現」に終始
これ、例えるなら
「今夜、8時になるとサンタがやって来る」
「ちがうよ、それは絵本だけの話」という知識止まりの子供(世代)にどこまで
「本当の意味」が通じるのだろう?と言った感じ
確かに「サンタがやって来る」、という意味が分かった年代の私ですら
具体的な表現を避け終始「暗に含んだ」言い回しで構成されている
としか言いようがなかった本作


上記の例ですら「?」な感想を持つ人だっていると思う。
特に「読解力が低下している」今どきの子に本当に理解できるのか?


今日、入社した新入社員に
「これ、やっといて。私、出張に行くから」と具体的なやり方ひとつ教えないまま
放置されたとする。
事務所に残っている人は形ばかりの社長と派遣の掃除婦さん
当然、「やり方」を教えてくれないのでただただ日がなぼーっとするしかない。
そしてたまに「どう?できてる?」と電話がかかってきて「あの~これはどうすれば…」
と質問しようとしたら「あ、ごめん。電車来たから」とガチャ切り。
「え~~~」の繰り返し…
そのくせ「他の社員は会社の為に頑張っているのだから君も頑張りたまえ」的な
事だけはしっかり言われる…
そしてある日「他社に行って来て」と言われて初めて他社の有能な人たちの仕事ぶりを見て「このままじゃダメなんだ…」と自覚し始める…


まあ、こんな感じ


やり方ひとつ教えないのに「自分で判断できる大人になるんだよ」と言うだけ言って
具体的な事は一切言わない。それを「見守っている」と表現する作者


結局、私がこの本を読んでいて終始いら立った原因は
子育てのやり方が全く違っており、相手(主人公)の親に対して
「なんて無責任な親なんだ!!」
という怒りが根底にあるからだと思う



せめて学園ものなら尊敬できるきちんと正しき道に導いてくれる「教師」の存在が
あればまだしもそれすらもない
いたのは同学年前後の明確な目的を持った子供だけ
いびつ
これが現代(書かれたのは10年前だけれど)の子供への接し方なんだろうか?
親は物理的に存在するけれど「道しるべにはなってくれない」存在に落ちぶれたのか


そうか、私のいら立ちは自分の親にヒロインと同じことをやられたからこそ
感じるものなのかもしれない(私の親も今から思えば軽度ネグレクト)


この小説を「面白い」と感じて読んだ人はきっと親から愛情をたっぷり注いでもらった人なんだろう
だから自分とヒロインの気持ち(戸惑い)を切り離して(もしくは理解できずに)
「ファンタジー」としてただ読んだだけの人なのかもしれない