砂に埋もれる犬 桐野夏生
- 砂に埋もれる犬
- 朝日新聞出版
- Digital Ebook Purchas
どなたかのブログか書評で読んで今年の2月に図書館で予約
窓口で受け取る時
「え?なにこの魔法書、もしくは日本髪用の枕の様なぶっとさ!!」と
その分厚さにビビる(4センチ近くある←計ってみた)
ネグレクト、異父兄弟、貧困、里親、性暴力…
といったネガティブなモチーフ満載!!
中途半端な感想をコメ欄を開けた状態で書くと思わぬ方向から
「悪意の矢」が飛んでくるのは間違いないので相手するのが面倒
ここはサラッと行きたいところ(過去に経験済)
全体としてはかなり引き込まれけれどラストが正直「微妙」…
「え?何この打ち切り感!!!」と残念感はあるけれど
日本という一見豊かに見える国の闇の部分を知るにはいい機会かも
(もう「豊か」という言葉と程遠くなりつつあるのは実感してますよね…)
本書を読む前にこのネット記事を読んでいたので
すんなり登場人物の言動のありかたを理解することができた
参考文献的にどうぞ
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貧乏なら弁当や総菜を買うよりも自炊すれば安上がりなのもそうだろう。だが、貧しい人はもとより「調理をする」という習慣が生まれ育った家庭にはなく、十分な訓練を受けていないことが多い。また適切な材料を適切な量で買いそろえることができず、足りなかったり、使いきれず食材を腐らせてしまったりすることもよくある。一念発起して慣れない料理に挑戦し、多大な手間と労力をかけた結果として「まずいメシ」が完成してしまうと、調理を習慣づけるモチベーションを失う。
また部屋が狭く、調理スペースや調理器具、家電製品の用意でも乏しく大きな制約を受ける。冷凍室や野菜室のない一部屋タイプの冷蔵庫では「食材を保存する」という用途自体が失われてしまうこともある(往々にして飲料や酒類を冷やすためだけのものになってしまう)。そうなると結局、コンビニの弁当や総菜、そしてカップ麺などが消去法的に選ばれる。
節約術を習得するのも、特売情報をキャッチするのも、料理スキルを磨くのも、中長期的な損得計算をするのも、これらはいずれも貧乏なら当たり前にやらなければならないものでも、当然やってしかるべきものでもない。それぞれ特別な訓練や慣習によって習得される「文化(カルチャー)」に近い。そうしたカルチャーを持っていない者は、お金がないのに「無駄遣い」な選択をせざるを得ず、ますます貧困に陥っていく。
なんとなく貧乏な人はより一層貧乏になる原因の一端が見えてくるのでは…
『砂に埋もれた犬』でも「文化」を知らないゆえの行き違いが多々出てくる
そしてそんな風に育ってしまう子供たちは悲しい事に将来
- ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)
- 新潮社
- Digital Ebook Purchas
になってしまう可能性はかなり高い
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