Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

廃墟本remix 中田薫 中筋純

総天然色 廃墟本remix (ちくま文庫)
総天然色 廃墟本remix (ちくま文庫)
筑摩書房

2014年発行
p11 中筋純によるはじめに より

本書は平成12年から平成21年にかけて取材した廃墟物件のうち平成26年1月現在、惜しくも全解体もしくは一部解体された物件を厳選し、構成したものである。


廃墟を見ると時代の栄枯盛衰が見えてくる
鉱山が国の産業のメインであったり、男性の団体客がこぞって繰り出してくることを想定したホテル、増改築を繰り返した結果迷路となって使いにくさが裏目に出たホテル、少子化のあおりを食らっている小学校や見通しの甘さから来た小規模遊園地…


それにしても閉館・閉園・倒産した物件がすぐに更地にならずに放置されて無残な姿をさらし続けたのが平成22年に制定された「空き家条例」で一気に行政の手が入るようになって一気に更地化が進んだらしい
この様な「廃墟本」で取り上げたことによって逆に廃墟の寿命を縮めた…と皮肉な結果になっているのがなんとも…



その一方で群馬県高崎市にあった「カッパピア」がケルナーと言う「救世主」が現れたおかげで「ケルナー広場」として息を吹き返したことを喜ばしく思う
こんな風にすぐに引き取って再利用(?)できないものなのか?