Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

何者 朝井リョウ

何者(新潮文庫)
何者(新潮文庫)
新潮社
Digital Ebook Purchas

2012年に発刊 文庫化は2015年


そういえば過去にこの人の

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
集英社
Digital Ebook Purchas

を読んで「え?これで終わり?!」と驚愕した覚えが (;^_^A
だらだらと高校生の日常を読まされただけ…と言う印象だった


今回は若干「起承転結」と言えばいいのかわからないけれど本当に「若干」の
動きはあるけれどやはり就活中の大学生の日常を延々と読む羽目に (;^_^A


この本は「エントリーシート」を書き「WEBテスト」を受けやっと面接…と言う
過程を経験した世代には「そうそう、わかるわかる」と共感できるのかもしれないけれど
そうではない世代の私にはぴんと来なかった


上記の試験形態よりも特に共感できなかったのが自分の日常を分単位でツイッターに
挙げるその「感覚」かな?
ツイッターをしていないから余計にその使いかたとかなぜそこまで詳細な自分の
日常をアップするのだろう?と言う疑問
また、大して仲良くないのにあっさりと一つの部屋に集まって「就活会議・対策」とかする
そのオープンな感覚にどちらかと言えば秘密主義の私としては「…」と言う感じ


とはいえあれほど分単位で自分の日常をアップしているのに肝心な「自分はどこを受ける」と言う情報は顔を合わせても言わない
言わないし、実は裏アカウントでぼろくそに言ってたりするという…(;^_^A
人が自分より先に内定をもらうと焦るし嫉妬するこの感覚は理解できる
けれど自分に手持ちのカードが少ないのがわかっているのなら、
初めから仲良しごっこのノリで付き合うなよ、とか思ってしまう(;^_^A


いわゆる至極簡単に「繋がる・つながろう!」とバ×の一つ覚えの様にそして呪いのような
この言葉に踊らされた結果「自分と合わない人とのつながり」に苦しむ結果が「裏垢」
ではないだろうか?と、もし私が裏垢を持っていたら絶対に書く内容!(≧◇≦)


表でしっかり嫌みを言い倒しているので今更「裏垢」必要ないかな?
でもブログを長年やっているとつい読んだブログに対して「それは違う!」とコメを
入れそうになるからそこはもう強制切断で「無かった事」処理している


それにしても一瞬見た他人のメルアドを記憶して検索にかけ、裏垢を見つけるっていう手口は怖い!!!!!!!!! \(◎o◎)/!


p64

いつからか俺たちは、短い言葉で自分を表現しなければならなくなった。フェイスブックやブログのトップページでは、わかりやすく、かつ簡潔に。ツイッターでは140字以内で。

就活の面接ではまずキーワードから。ほんの少しの言葉と小さな小さな写真のみで自分が何者であるかを語る時、どんな言葉を収取選択するべきなのだろうか。




p203

「お前、こんなことも言ってたよな」

返事ができないでいると、サワ先輩の声が少し、小さくなった。

「ツイッターやフェイスブックが流行って、みんな、短い言葉で自己紹介したり、人と会話をするようになったって。だからこそ、その中でどんな言葉が選ばれているかが大切な気がするって」

サワ先輩は、ツイッターもフェイスブックも利用していない。

「俺、それは違うと思うんだ」

サワ先輩は、用があるならメールじゃなくて電話して、といつも俺に言ってくる。

「だって、短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけないくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉の方が、圧倒的に多いわけだろ」

サワ先輩は、この現実の中にしかいない。

「だから、選ばれなかった言葉の方がきっと、よっぽどその人の事を現してるんだと思う。」(中略)

「ほんの少しの言葉の向こうにいる人間そのものを、想像してあげろよ、もっと」