Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ノックス師に捧げる10の犯罪 ヨゼフ・シュクヴォレッキー

ノックス師に捧げる10の犯罪
ノックス師に捧げる10の犯罪
THE MYSTERIOUS PRESS

誰の本に書かれていたのかすっかり忘れましたが(;^_^A
文中にこの本の題名が書かれていて図書館の「お気に入り」=いつか読みたい本
のカートに入れてました


1991年に書かれたもので書庫扱い
30年以上前の本なので全体的に黄ばんでいるのですが、
なんていうか自分が独身の時に発行されたときの本かあ…と
読書感想とは全く違う感慨深いものがありました


ちなみに「ノックス師(氏、じゃないんですね)」とは 本書見返しによると

1929年英国推理小説の黄金時代、作家のロナルド・Aノックス神父が

「探偵小説十戒」を発表した。

それはミステリがフェアプレーであるために、何が許され、何が許されないのかを定義した絶対のルールであり、現代にも通用する小説作成方法上の法典である…はずだったのが

本書に収められた10の短編がその戒めをことごとく打ち破ってしまった。

しかもどの作品もフェアプレイなのである。


以下、こちら↑より引用


1.犯人は物語の序盤に登場していなければならない。

2.探偵方法に超自然能力を用いてはならない。

3.犯行現場に秘密の扉を作る場合、二つ以上作ってはならない。

(『一つ以上作ってはならない』ともされるが誤訳)

4.常識的にありえない未知の薬物や、一般人の理解しづらい難解な科学技術を事件に適用してはならない。

5.中国人を登場させてはならない。


※この項目は人種差別ではなく、三文探偵小説にありがちな陳腐極まりない筋書きに対するノックス師の異議申し立てである 本書p7より引用


6.探偵は偶然や勘によって事件を解決してはならない。

7.探偵自身が犯人であってはならない。ただし犯人に変装するなどの場合は除く。

8.探偵は読者に明かしていない手がかりによって事件を解決してはならない。

9.探偵の助手にあたる人物(いわゆる『ワトソン役』)は自らの判断を全て読者に知らせなければならない。

10.双子や一人二役の人物を出す場合、その存在をあらかじめ読者に伝えなければならない。



今まで読んできたミステリーは上記の定義に沿って書かれているものが大半だったので
自分も謎を解きながら読み進めれていたけれど、この定義外の設定で書かれたら
どうにもこうにも…まあ、ミステリーではない別の読みものとして読むしかなかった


また作者が1924年のボヘミアで生まれたこともあり時代背景等や名前・地名になじみが無さ過ぎるために「え~っとこれは誰だっけ?」現象に悩まされた (;^_^A


とはいえ、翻訳ミステリーにしては非常に読みやすい文章であることは確か
時代背景の特徴として女性が乱暴な言葉使いをした後「あらごめんなさい。次からは気を付けるわ」と上品な言葉に戻るのがなんとも時代を感じる
今の特に日本女性の言葉の汚さを当時の人が聞いたら「え?女性がしゃべっているの?
男性…それも労働者階級…いえ、貧民街の人たちかと思いましたわ…」とか言われそう (≧◇≦)