Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

絶対城先輩の妖怪学講座 峰守ひろかず

絶対城先輩の妖怪学講座 (メディアワークス文庫)
絶対城先輩の妖怪学講座 (メディアワークス文庫)
アスキーメディアワークス
2013-04-25

読み始めはこれもまたどこにでも転がっているコピペラノベかな、と
しぶしぶ(?)読んでいたのですが結構面白かった。
今回のキーワードは「妖怪」。



子どものアニメにも漫画にも多数取り上げられている反面「旬」と言えば
旬の題材なのかもしれませんが。
一方、作者さんそれなりに妖怪に対する知識はお持ちのようなので
単に適当な参考文献を元に底の浅い知識で読者にバカにされる作家が
多い中で、自分なりの解釈を付けてエンタメ作品として昇華させている点が
好感を持てました。
ただ、妖怪の解釈を作中に合わせて良いように料理しているなあ、
つじつま合わせの力技が結構あるなあ…と思っていたら
作者あとがきで
ストーリーの都合上、意図的な曲解や強引気味な解釈をしている
箇所が多々あります。
と断っているから創作上わざとなので許す!←上から目線読者


無知で書いているのとわざとでは違いますもんね。


ところで登場人物名が
絶対城阿頼耶(ぜったいじょう あらや)と、毎回ルビを振って欲しい
ような探偵役と
探偵に良いように振り回されているヒロイン(???)、
湯ノ山礼音(ゆのやま あやね)
探偵の友人、杵松明人(きねまつ あきと) が出てきます。


横暴探偵に無理やりニックネームを「ユーレイ」と付けられた
礼音ですがこれ「礼」を「あや」と読ませずに普通に「れい」と
読ませて例えば「れいな」「れいこ」「れいか」etc.
と言った名前で
ゆのやまれい×→のやまれい×→ユーレイ の方がしっくりきませんか?
「礼」を「あや」と読ませたうえで「れい」と読ませるのはかなり
無理があると思います。


一方友人の杵松氏。
若干ネタバレになりますが彼の正体を「天狗=アマツキツネ」と言っている
箇所があるのですが
きねまつ あきと→「きねまつ あきと」→あまつ きね きと→きつね きと
と言うことでアマツキツネの「つ」足りないし「きと」だけが残るとはいえ
一種のアナグラムになっているんですね。
じゃ、やっぱり「れい×」の名前にして欲しい。


強引さはあるけれど文章が安定しているので読みやすい。