Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ダレン・シャンⅡ 若きバンパイア ダレンシャン

ダレン・シャン 2 (小学館ファンタジー文庫)
ダレン・シャン 2 (小学館ファンタジー文庫)
小学館

漫画の『ベルセルク』でダークファンタジーはイマイチに自分に合わない(というより心が折れた…)…と思っていたので比較的それに近い本書も2巻以降を読むのは…と思っていたのですがダレンシャンの熱烈なファン(?)の方からリコメンドコメントを頂いたので「勝負を挑まれて逃げるのはどうよ?」と思った(違)ので継続して読むことに。


1巻でバンパイアの蜘蛛を盗んだ代償として「親友の命を助ける代わり」に自分が半分バンパイアになった主人公。この部分だけ読むと「いいやつ!」て思うかもしれないが
根本をたどれば「お前が盗んだのが悪いんだろ!!」ってことになるのであまり褒めらた行為でもないし同情する価値も無い。しかもやっぱり子供なので2巻では自分をバンパイアにした相手=クレプスリー に事あるごとにつっかかります。
でも読んでいて「相手を責める前にお前がした事を反省しろよ!」とどうしても親目線になってしまいイケマセン。笑
2巻でも相変わらずのダレンの「わがままぶり、自己中心ぶり」が目立ち、自分の小学生時代やもう少し新しい記憶の自分の息子たちと比較するのですが「ここまで頑固でもなかったし、素直だったと思う」という結果になり「この子、性格的にどうよ…」と。
そして結構グロい描写の後、それがダレンの「成長」に繋がる…というところで終了。
ん~親目線で読むと、正直複雑。漫画や映画と言った「絵」では絶対に見たくない。
文字ならば自分の想像力を抑えればそれ以上の悲惨なイメージが頭に浮かぶことを阻止できますが、絵で見てしまうとまんまのイメージが頭に植え付けられるのである意味、深層意識に植え付けられないか心配。特に小学生の柔らかな感性には。
まあ、今どきの子供はゲーム漬けでこんな描写=血しぶき飛び散る・人体破壊 なんて
日常茶飯事の慣れっこよ、って言われたらそれまでですが、逆にそれも怖くないですか?
そういったグロい描写を親の知らない間に子供が接していて、さらに突っ込んで「それが当たり前」だと単純・短絡的に考える流れになる事が。


初めのページに訳者から

作品中の登場人物の描写に対し、不快の念を抱かれる読者の方がおいでになるかもしれませんが、原作を重視し、原作者の意図を生かすことを考え、あえてそのまま掲載いたしました。



また、あとがきにも


著者のダレン氏は「日本の漫画の大ファン」とのこと。特に『子連れ狼』がお気に入りなのだそうだ。



平成、令和の子供に『子連れ狼』がどこまで通じるか不明ですが(私でも結構記憶がおぼろげ…)、児童書であっても血生臭い描写が多々出てきてもおかしくない素地が十分あるってことですね。
子供を育てるのに「環境」はかなり重要だと私は思います。
小学生が読む本を親はもっと真剣にチェックしてもおかしくないし、むしろ「児童書」だと思っていたらとんでもない!ってことにならない様に…(祖母の立場になったらもう口出しできませんもんね…できるとしたら「良書」をどんどん薦めるしか…)