Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

真友 鏑木蓮

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真友 (講談社文庫)
真友 (講談社文庫)
著者:鏑木 蓮
出版社:講談社
発売日:2014-10-15
カテゴリー:本



自分たちの父親が同じ京都府警の警察官どうし。
そして二人は幼いころからよく知っている「親友」同士。
それが中2のクリスマスイブの夜相手の父親が自分の父親を殺したことにより、関係が一転する。
しかも、思いを寄せていた女子もあろうことか妹までもが相手の事を好きになり関係を持つ…と
殺された側の息子にしたら踏んだり蹴ったりの設定。
まあ、実際読んでいて殺した側の息子の方が人間味があって二人の女子から好意を持たれるのは良くわかるんだが。
かくして、大学の時は一時的に目標を失い警官になることを挫折しかけたけれど晴れて刑事になった殺された側の息子。
13年前の父親の敵=親友の父を犯罪者として追う立場となる。

と、まあ結構面白い題材。
しかし何と言いますか…う~~ん、これ「平成」の話ですかああああ??と超疑問符が付きそうなほど「昭和臭」プンプンの言い回しとか設定。
特に駆け落ちする時の描写と言ったら昭和の三文芝居を見ているかのよう。
なんかこう、今時感と言うか若さが全くない文章に2時間ドラマを見ているかのような錯覚を覚える。
「君、やめたまえ。嫌がっているじゃないか」みたいな?笑
中学の時に好きだった女をいまだに未練と言うか思っている男ってキショイ!
ミステリー的にはミステリー慣れしている人間からしたら大体の予想が付き、案の定の黒幕。
ネタバレになるけどこういった犯罪って警察内部に協力者がいたら、下手したら気が付かないうちに冤罪、偽装、濡れ衣とかバンバン犯罪者として仕立て上げられそうで怖いな、と。
なまじ、犯人と被害者が警察官どうしと言うことから犯罪者が捜査の手の内を知っているということは
逆に考えたら裏をかくことも容易だし。

とはいえ、現実の世界では現役警察官が交際相手しかも不倫相手を絞殺した事件が発生。
一年の出向中に手を付けて「やり逃げ」するつもりが相手が追いかけてきて計画が上手くいかなかったのか、不倫の果てに殺すって…
これ、奥さんが妊娠中とかもうすでに子供がいたら気の毒。
まさに本書のように犯罪者の家族としてこれからの世の中を生き抜いて行かねばならないのだから。
しかも、殺した後剣道の練習してたって…どんだけ図太い神経の持ち主かと呆れるわ。
まあ、大阪府警と言えば「頭(知性)は要らん!体だけあれば!」と言う採用基準を打ち出したほど
バカでも丈夫であればそれでよし!みたいな普通ではありえない採用基準だし。
しかもこの男、剣道だけで採用されたようなもんだからさらに人間性なんて一切の考慮も無かったのか?と。
そんな筋肉バカに惚れた女二人(被害者&妻)。
本作のに出てくる女二人となんとなくシンクロ性を見出すのは気のせい???

こうなると、こんな剣道&柔道&陸上といったスポーツだけで警察官採用するのは今後やめてほしい。
頭だけよすぎるのを採用するのも問題だし(足で捜査なんてばかみたい!とか言いそう…)
人間、平均が何事もよろしいかと。
バカもだめだし、頭だけもだめ。
体力だけもだめだし、知力だけもだめ。
こいつを採用した人事課にも責任を取らせるべきだと思うんですけどね。

それにしても大阪府警って不祥事多いよねえ…