Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

愛より優しい旅の空 柴田よしき

鉄道旅ミステリ (2) 愛より優しい旅の空 (角川文庫)
鉄道旅ミステリ (2) 愛より優しい旅の空 (角川文庫)
KADOKAWA/角川書店
2015-11-25

鉄道旅ミステリ、と言うことで前作

鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て (角川文庫)
鉄道旅ミステリ (1) 夢より短い旅の果て (角川文庫)
KADOKAWA/角川書店
2015-09-24

の続編。


主人公:四十九院 香澄(つくもいん かすみ)は叔父と言うより
年の近い兄もっと言えば初恋の男性の失踪の謎を追う旅をする。
そして旅の途中で出会う「日常の謎」と言うより「心の傷」を
知る…
とまあ、キレイに書くとこうなるんだけど、柴田さんのテツオタ描写が
正直うっとうしく(苦笑)、主人公の性格が「暗い」から盛り上がらない。
東北の震災で本来繋がって一本で行ける鉄道と言う交通手段が
「分断」もしくは「使用不可」になっているところが現実の痛みとなって
読んでいて辛かった。



もう少し主人公の性格が明るかったら、叔父の失踪と言う伏線が無かったら…
更にまさか震災で予定していたプロットがつかえなくなって一から練り直し…
と言うこともあってちょっと無理やり感があったな…と思う残念な一冊。