養老院より大学院 内館牧子
- 養老院より大学院 (講談社文庫)
- 講談社
- 2014-04-18
- Kindle本
内容紹介
「すぐに大学院を受験し、大相撲を研究しよう」。後先を考えない無謀な試みか、それとも人生80年の今しかない絶妙のタイミングなのか!? “人生、出たとこ勝負”を座右の銘とする著者が挑んだ学生生活。想像以上の厳しい講義、若者だらけのキャンパス、その3年間はまさに「知的冒険活劇ロマン」であった!
太田房江府知事(当時)が「土俵に女性を上げないのは差別だ。
大阪府知事杯を授与するのは私の仕事なので、私が土俵で渡す」と
言ったことをきっかけに「なぜ土俵は女人禁制」なのかを明確に
説明できないことから大学院を目指すことにした著者。
社会人学生を目指す人にとっては一度目を通しておいた方が
良いと思う一冊。特に「向いていない人」の傾向もちゃんと
書いてくれていて良心的。
しかし本書が書かれたのは2006年だが、倒れた人を救護するために
女性看護師が土俵に上がったことがいまだに非難されるところを見ると
まだまだ「女人禁制」の縛りはキツイみたい。
内館さんが「得たもの失ったもの」でこんなことを書いている
(著者が入学したのは54歳の時。今の私と変わらない)
p202~
明言しておきたいのは若い学生は見ていないようで、その実、
しっかりと大人を見ているということである。(中略)
私が彼らと付き合いながら、一つだけしっかりと、
わが身に言い聞かせたことがある。
それはその大人が尊敬できる何かを持っていれば、
若者はきちんと評価し、リスペクトするということだ。(中略)
中高年は何か一つ、若い人をねじ伏せるような、かなわないと
思わせるような、そんなものを持つことが必要なのだと思わされる。
若くないことがプラスになり、中高年の自信に繋がるからである。
(中略)
一番まずいのは、若くは無いのに、若い人と同じ土俵に立ちたがる中高年だろう。
何のために年齢を重ねたのか、その情けなさに本人は気付かず、
周囲の若い人が気付いている。受けようとして若者に媚びたり、
若ぶったりして取り入るより「かなわない」と思わせるなにか一点を
磨く。中年が自分より高齢の素敵な人にあこがれる様に、
若い人も魅力的な中高年なら憧れるのだと思っている。
そういえば本文で「土俵に外人でも男なら上がれる」的な部分を
読んでこんなこともあったなあ…と思いだして検索!
ヒョー、ショー、ジョー!
確かカップを持ってこけたこともあったよねえ…
アナさんも「今日は大丈夫ですね。倒れませんね」と
言っているところが笑いを誘います。時代やなあ…ほのぼの…
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