Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

なかったことにしたくない 東小雪

なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白
なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白
講談社

この本。↑
百合バカップルの本↓で牧村朝子さんとの対談で紹介されていたので読んでみたのですが…

まんがで綴る百合な日々 女×女のバカップル同棲日記
まんがで綴る百合な日々 女×女のバカップル同棲日記
学研プラス
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なんといいますか…「好きになったのが同性だっただけ♡」みたいな単純なものではなく
あまりにも要素が複雑すぎて読後感がモヤモヤしました。
幼児期における実父からの性虐待(実父はガンで亡くなっているのであくまでも本人だけの主張・証拠無し・むしろ記憶も曖昧)、母親との確執不仲、宝塚の「予科」での圧倒的な服従教育(軍隊か刑務所並み…いや、メンタルを攻めまくって来るのでそれ以上??)。
宝塚の描写は必要?もしくはたったこれだけの在籍期間で「元タカラジェンヌ」と名乗って良いのかな?(図々しい、とすら思う)とか突っ込みどころがありすぎて「う~ん」過ぎてこれをLGBT関連本とするにはかなりの抵抗があります。
どちらかと言えば「精神を病んだ人の告白」だよね?って感じで。
元々実母と不仲なのにこれを出版することによって母親のメンツも丸つぶれだし、関係が良くなるどころか縁切りレベルだと思うのですが、それでもこの内容で出版したかったのですか?あなたは??って感じで余計に傷口が広がりそうな内容。そんな想定内のバッシングにも耐えれるだけのメンタルの強さをパートナーがいるから乗り越えられる!!ということなんでしょうか??
p.s
検索したら『ハッピーエンドに殺されない』の牧村朝子さんも今回の著者の東小雪さんも「離婚」していたという…
今回の二人はネズミーで挙式しているのにたった2年で破局…
色々な意味で余計に世間的にLGBTのイメージが悪い方に転んでいる気が…



p.s2(モヤモヤするのでさらに追加)
①イタイことをされて風呂場から泣いて逃げるような事をする男と中二まで一緒に風呂に入るものなんでしょうか?きれいさっぱり記憶から「無かったこと」にできるものか?


②①の理由が幼児の頃から親に絶対服従という環境だったと言い張るたとしたら、さらに絶対圧倒的服従を強いられる「予科」から逃げ出したのはなぜ?著者にとったら「服従はなじみのある環境」ではなかったのか?そんなことを言っていたら同期の人たちの方こそ「全員」逃亡している状況になるのでは?けれどそうなっていないのはなぜ?
さらに「連帯責任」という名の懲罰を皆が食らうことがわかっていても嫌な環境だったはずの「実家」に逃げ込んだのは実は「一番甘えることができる環境」だと本能的にわかっていたからでは?
実際私もここで何回も書いているように「離婚してあの実家に戻るぐらいなら夫と一緒にいる方がマシ!」という選択から30年近くいるのだから。


③ネズミーが異性婚に見える服装で、と初めに出した条件を同性婚でも可!と緩和してくれたにも関わらずたった2年で「離婚」するのはどうかと。せめてそこまで他人に迷惑をかけていると理解してたらもう少し我慢できたのでは?


と、まあ、「理解しかねる」状況が読んでいるだけでもこれだけ(ほんとはもっとあるけど割愛)挙がってくるのですよ。ただただ本書から浮き上がって感じ取れるのは


「私は悪くない、悪いのは私以外の人!!」


っていう感情だけ。
不愉快極まりない本だった。