Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない 桜庭一樹

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet (角川文庫)
KADOKAWA
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先に書いた『大人だって読みたい!少女小説ガイド』に載っていたので借りてみた。
正直、過去に読んだことなかったっけ??と思いつつも思い出せない。
そもそも「海野 藻屑(うみの もくず)」という親として娘にそんな名前を付けるのって
どうよ?という位インパクトがある話なので読んだとして古すぎて思い出せないのかな?とか思いつつも。


なんていうか感想を書くのが非常に困るタイプ。
面白くないのではなくどう表現していいのかわからないタイプ。
主人公たちが中学生という事もあってその世代の人が読めば共感して感情移入すると思うが
親世代が読むと「子供を救えなかった自責の念にさいなまれる」話。
そういう意味ではいい加減に写っていた担任が一番子供の事を考えていた人間だったんだ、
と。


実の親による子殺し。最近ではひと月に一回は記事になる出来事。
書かれた初版が2004年なので近年ほど「よくある事」ではなかったはずなのに。
その「儀式」を通過してめでたく「大人になれる」今の日本。
生まれてきたこと自体が奇跡!と言われていたのに今では生き残って大人になれたこと自体が奇跡!になりつつある。そしてさらにいくら年齢的に「大人」になっても最後まで
寿命を全うできるかどうかさえ分からなくなりつつある先の見えない今を生きる私たち…