Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ワンピースのおんな 写真:宇壽山貴久子 文:すまあみ

ワンピースのおんな
ワンピースのおんな
草思社

お気に入りのワンピースを着た50歳以上の女性のみの構成
女性の紹介には 名前 年齢 職業 出身と現在地 既婚か未婚か 子供の数 孫の数
が記載されている 特に後半の情報は必要?(人によっては結婚歴1回とか)


お気に入り、を着ているせいか皆自信にあふれている
服自体にもパワーがあるのか「着ると前向きになる」と言ったコメントも多々
表紙の女性の服は旦那さんからのプレゼントだそう。
それにしても奥さんの事を良く分かっているというか服のパワーに彼女が負けていない


この服を私が着たら…完全に服に呑まれるか、いや、一度ぐらいこんな素敵な服
着てみたい!という好奇心もある。
けれど今住んで居る地域の服装はユニ黒で十分。おしゃれすれば悪目立ちする。
たまに駅前でおしゃれな人を見かけるがそれは地域て大きなイベントが在った時。
他の地域から来た人、と一目で判断が付く程ここは別世界。





50歳以上の女性ばかりを特集しているのでその横に書かれたコメントが秀逸
適当に抜粋するけれど

「自分で自分をたのしませること、それが人生を謳歌する秘訣だと思う」


「本当にやりたいことがあるのなら、歯を食いしばって踏ん張る。

死ぬまでそうありたいと思っている」


「人生深く考えず、好きなように進んでも、

いつか道は天竺に続くのかもしれない」


「個性を出して『あの人はああいう人』と思ってもらえたら、

こっちのもの。怖いものなしで、好きな事が出来る」


「心がけているのは、世の中を慎重に見る事。

たとえ意地悪な人がいても、そこにはきっと理由があるから」


「物質的なものや、人との関係に固執して、

一つの場所に囚われる事はもったいない。

人生は身軽な方が、よりたくさんの可能性に出会える」


「誰かに媚びて良い結果が出たためしはない。これは人生も同じ事」


「自然に身を任せると、予想もしなかったところで、自分にとっての本当の幸せが見つかることもあるから」


   表紙の女性の言葉

「反対意見を唱え、他人の自由を奪う人達に言いたいことがある。

人が、人である権利を奪うのは悪だと。

みんなが違う事が美しいのだと思う」




p67 赤いチェックのコットンワンピース

日本人 70歳 介護サービス会社勤務 独身 息子一人


欧米では高齢になるほど鮮やかな色を身にまとうと聞いて、初めて手にした赤色。

引っ込み思案で人嫌いな性格とは、離婚を機に決別しようと決めた。

以来、人との交流が楽しくて、過去の苦労が超消しになるほど、

今は人生が輝いている

この女性のはつらつとした笑顔が印象的で、とても初めて手にした赤色の服とは
思えない程、似合っている



たとえどんなにパワーのあるデザインの服であってもその人自身の内側から
にじみ出るパワーと相殺されて「その人自身」になっている…そんな一冊


夫や姑の事でグズグズ言っているのがバカみたいに思えた
生き方に枠を作っていたのは自分!!
たった一冊の写真集+各女性の格言(!)で落ち込みが癒される
これぞ本の持つパワー!