Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

弊社は買収されました! 額賀澪

弊社は買収されました!
弊社は買収されました!
実業之日本社


コテコテの昔ながらの風土の日本企業の「花森石鹸」
読んでいて「花王」かと思っていたらどうも「シャ×ン玉石鹸」がイメージ会社の模様
一方その「花森」を買収したのは「ダ×ニー」というか「P×G」だよなあ…とか
思いながら読んだ


コテコテで仕事をしてきた40,50代のおじさん社員は「よそ者に乗っ取られる!」と
買収を受け入れないし20代の若手や転職組は「好機!」とばかりに捉えるし
今までと同じ仕事なのに「違い」を受け入れることができずに前に進めない
間に挟まれるのは「総務」という「直接収益に結びつかない部門」と揶揄される
部署の主人公
その様々な「立場の違い」を通して「仕事」を捉えた一冊


入社3年目の「理想と現実にやる気をなくしている」若手の目線から見るとp106

結局、就活生として見ていた「花森の社員」は総務部の人間で、彼らは花森の商品を作っているわけでも売っているわけでもない。会社説明会や面接試験で接した彼らが入社後に上司になるわけではない。入社してみれば当たり前の事に当時気付けなかったのが自分の甘さだ。最終面接であった営業部の部長や課長の、妙に偉そうで威圧的な物言いに、もっと違和感を覚えるべきだった。(中略)

そんなの、今さら後悔しても、遅いのだけれど。



一方、大卒で今まで他社を知らない40、50代を30代から見るとp154

「あの人たちにとっての<頑張って働く>はイコール<たくさん働く>だったの。

それが正しい時代に会社員をしてたし、現にそれでうまく行ってた。

いきなり労働時間を減らして売り上げは落とすな、むしろアップさせろって言ったって、やり方がわからないに決まっている。それをさあ、後輩たちは気付いてすらいないんだよね」

例えば椎葉。(※先ほど引用した若者の事)

おじさん上司に辟易してきた彼の気持ちも良く分かる。今、変化に順応できずにあくせくしている榊原の気持ちも、わかる。


予定調和ではあるものの各世代が読んで「そうだよな」と思う部分があるはず


ところで「シャ×ン玉石鹼」に関しては本書と違って堂々と
「香害」と打ち出してきているのでまだまだ買収される気配はないので
一安心といったところか
何せ会社だけでなく土地そのものを買収されている我が国ですから