東京すみっこごはん 3 成田名璃子
- 東京すみっこごはん 親子丼に愛を込めて (光文社文庫)
- 光文社
- 2017-11-24
- Kindle本
作者さん自身も結婚し出産されたそうで、徐々にラノベ規制から
外れて自分らしい作品を目指している、そんな感じがします。
特に表題作の『親子丼に愛をこめて』でやっぱり私と同世代の
田上さんが名言
p286
「そりゃ、何にだって良いところと悪いところがあるものよ。
実の親子だとね、自分と子どもの境界線を引くのがとっても
難しいのよ。子どもを背負ってやっているつもりで、
自分をずっしり子供の背中に乗せてしまうのね。
ついつい甘えちゃう」
彼女は、息子さんに対してずいぶんと意識的に厳しくしてきたという。
可愛くて仕方がないから、どんなに辛くても、あなたは
悪くないのよと庇いたくなっても、叱ってきた。
p306
「産んだからって親になるんじゃないのよ。
みんな、産んだ後子どもと接しながら親へと育ててもらうの」
神様が「お前にはハードな子育ては無理!!」と
早々にさじを投げてくれた結果、めちゃめちゃ手のかからない
子を授けてくださったとしか言いようがないほど、
ホント楽な子育てをさせてもらった方だと思います。
というか、二人の能力がすごかったというかまさに
「子どもに親になるために育ててもらった」としか
言いようがありません。
彼らの方が私より断然大人!!と言う気は常々していました。
たった18年しか一緒に暮らせなかったから余計に
「もっと食事を一緒にしたかったな」とこの本を読むと
胸の痛みを伴いつつ自分の人間としての小ささを痛感します。
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