The MANZAI 2 あさのあつこ
p96
「学校なんて、そんなに必死になってまで通うとこじゃない……
無理して、無理して、ぎりぎりがんばって。自分が壊れちゃいそうになるのに頑張て行くところじゃない……そう思う。おれは……おれは、そう言って欲しかった」
そんな無理してまで、行かなくてもいいぞ。
そう言って欲しかった。その一言が欲しかった。
父さん、僕はあなたにそう言って欲しかったんです。
「学校よりもほかの場所で、ほっとできるんだったら……それが、自分の部屋でもベッドの中でもおばあちゃんの家でもいいけど……どこでもいいけど、そんな場所がるなら、そこにいればいい……学校なんて、学校なんて、苦しんでまで行くとこじゃないし……」
膝の上のこぶしが震える。ふいにその上に手がかぶさってきた。
僕のこぶしを包み込む。
秋本かと思ったけれど、高原の手だった。秋本は僕の肩を抱えていた。
不登校になった挙句、そのことを父親に責められ気を利かした姉が父をドライブに連れ出したその直後に父と姉は交通事故で亡くなります。
そんな過去を持つ主人公の「瀬田 歩」君の言葉。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。