Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

幼な子の聖戦 木村友祐

幼な子の聖戦
幼な子の聖戦
集英社

新聞の書評に載っていたので借りてみた


ちなみに小説の書き始めがp6

濃くてつややかな赤い花びらが、想像以上に激しく散った。

事務所の中は上も下も一面、花びらで埋まった。


ここだけ読めば格調高い文学作品…と思いきや読み進めると
「赤い花びら」=「×」←ネタばれ防止のためにあえて伏字にしてみました!\(^o^)/
なぜこのような事態になったのか…ある意味ミステリー的に話が進む


また、本文中に「暗殺」「アジアで生まれた最新のキリスト教の団体」と
書かれたのが2019年11月号であるにも関わらず「おや?」と奇妙な一致すら
感じる設定
追い打ちのようにそもそも主人公は金とコネでやる気がないまま「村議」をしており、
その村長がエロスキャンダルで失脚したことにより次の村長選挙が舞台


村長候補者の一人が「今回は私が出ますが、本来なら女性にこそ出て欲しい!
その基礎を作るためだと思っている!」という演説に若者&女性の支持が集まる
古き全く変わろうとすら思わないやる気のない男どもを変えようとする若者&女たち
「預言書」?って気がしないでもないけれど、まあ、今の日本を見ていたら誰でも
思いつくよね…


ちなみに本作「芥川賞候補」だったとか
個人的には「…」ですが、
教科書に載っている作品すべてが「感動!良書!良作!共感!」って
わけじゃないからいいよね別に
そもそも「純文学」ってテストで「××について述べよ」と問われて初めて
その問いの周囲を念入りに探して答えを見つけるもんだから (違)


同時収録が『天空の絵描きたち』
窓ふき職人の話です
危険な仕事のわりに保証もなければ、守ってももらえない
使い捨て
今の日本の会社のあり方ですね
安い見積もりで大量の仕事を引き受ける。その割に職人は少ない。
仕事が回らないのに上から圧力だけはかかる
辞めていく…さらに現場は苦しくなる…


「今の日本」を切り取っているとは思うもののそれでもあともう少し
っていう物足りなさ
まあ、文学作品あるあるの「もやっとした」結末というか内容というか…
私はこの作品がテストなら、赤点取そう…(;´∀`)