Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ひげよ、さらば 中 上野瞭

ひげよ、さらば (中)
ひげよ、さらば (中)
理論社

どんどん話はエグくなり、これのどこが「児童文学?」と疑問符でいっぱい
確かに小学高学年なら「文字を追う」ことはできても「真の意味を理解すること」
までは行きつかないのでは?


むしろ現代に生きている人間の方がこの話の背景的な事を身近に感じられるのでは?
とすら思う
もしかして初版から40年も経った今、これを新たに発行するのは「戦争が身近な今」
だからこそ出版に踏み切ったのではないのか?と勘繰る




一人(一猫)の本当にどこにでもいる純朴な青年が犬という別種族と戦い(縄張り争い)、
その結果片目を失ったと同時にその者が持つ「素直さ・善良さ」すらもどこかに捨て去り、見事なチンピラ(独裁者)になって故郷に戻り力(武器)を手にした途端、横柄な支配者となる
力で他者(他猫)を押さえつけ、反抗する者(猫)には容赦なく暴力でねじ伏せる。それは恐怖政治となり、果ては自分でも間違っていると思っているのに口にすることができなくなってその反動から心が壊れ「薬物」(またたび)へと逃避していく…


あえてどこの国の誰、とは言いませんが「きな臭い」話の行く末はどうなる?と
全く別の次元でこの話を読み進めている自分がいる