Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

女子漂流 中村うさぎ&三浦しをん

女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー
女子漂流 ーうさぎとしをんのないしょのはなしー
毎日新聞社
2013-11-05

女子校出身の二人の対談。
中村うさぎ(1958年生まれ)…捜深女学校→同志社大学
三浦しをん(1976年生まれ)…横浜雙葉中高→早稲田大学


初めのころは「学生時代どんな感じ?」とまあ、普通に対談が
始まったのですが、真逆の学生生活なのでノリが悪いスロースタート。
中村さんは「チャラチャラしていて男の事ばっか考えているグループ」
三浦さんは「地味でマンガばっかり読んでいるグループ」と言う感じ。


とはいうものの「スクールカースト」に関しては

上下じゃないですね。なんていえばいいんだろう…

校内にグループと言う名の島がたくさんあって、

勝手にプカプカ浮いている感じ?


そうだね、まさに島がたくさんある感じ。

しかもそれぞれの島には連絡船が通ってなかったよね。


そうでした。お互いに遠くから島を見つめて、

とときどき別の島のうわさ話をする感じでしたね。

大体、他の島の事なんてよくわからないし。




あ、ものすごく上手い表現してる~~~~笑
けど、やっぱりお互いに「島」が違うせいかテンション低いな、
って思ったからここに「辛酸なめ子さん」が間に入ってくれたら
もっと面白い効果が生まれたかも~~って思った。
で、どんどん読んでいくと、
女子校に限らずにどっちかって言うと人間としてどうよ?
レベルの会話になって行って。
案の定、本人もそれを認める形になって行くという…


また特に感じたのは
二人が会社勤めではなく「作家」と言う自由業or自営業だからこそ
やっていけるのであって、この点がその他大勢の女子校卒業生が
ぶち当たっている「壁」が存在しない気がする。
他との協調性とか空気読むとか全くそんなこと気にしたことない!!
って言うスタンスが特に三浦さんからは…


三浦

 あんまり共感を求めてないんですよね。友達と会話している時も

「へ~。かわいい~」とか「それは大変だったね~」みたいに

あまり言わないのも、安易に共感したくないからだと思うんです。

共感に至るためには、お互いの事を相当知ってからでないとできない。

じゃないと、上っ面の共感になっちゃうから。

だから誰が「これ食べました!」って写真をアップした記事に

「へ~いいね!」って答えられないと思う。

「どうでもいいんだけど、お前の食ったものなんか!」って

思っちゃいそう。

あと、面倒くさいんです。そう、面倒くさいんですよ!

他人が何してるとかどうでもいいし、他人から「何している?」って

聞かれるのも、面倒くさくてイヤなんです。



こんな風に「全てがめんどくさい」で片付けられたら楽だろうなあ…と。


ところでこの対談をした二人からの感想と言えば
「まえがき」で三浦さんが

「自意識」や「他人の目」から自由になりきるのは多分不可能だろう。

だが、うさぎさんと話してちょっと勇気が出たというか吹っ切れた。

私が出した結論は「もう少し自分に正直になる」である。


中村さんは「あとがき」で

我々は漂流している。この漂流にゴールが無い事を、

はっきり認識したのはいつ頃だろうか。

今回、三浦さんと色々話していて、目からうろこが落ちた。

そうか!どこかにたどり着こうとしない生き方があるんだ!

私も三浦さんのように飄々とした自由なオタクライフを生きれたら

どんなに楽しかっただろうか。

でも、まあそういう生き方を選んでいたら、間違いなく物書きになって

いなかったけど。


もし同じクラスに居たら絶対に喋らない「島」に居たであろう二人。
けれど年を経て色々体験したからこそこうやって対談した結果
お互いの考え方に興味を持った模様。
やっぱり島が違うからと言う理由で「食わず嫌い」をせずに語り合うことって大切かも。


ところで私は多分この二人の中間の島にいたであろう人間だと思う。
(と言うより二人とも両極端過ぎる…汗)
なんていうのかな、48歳の時に合ったプチ同窓会で
派手なグループの子は独身orバツイチ後の独身が多く、
これまた(究極の)オタクグループも完全独身でした。汗
何事もほどほどでないと結婚は難しいのかもなあ…
私みたいに「中間の島」の人間は結婚して子供いて…がスタンダードでした。
(けれどここでもまた「子供の学校自慢」をしているオンナがいてやっぱり
ウゼーと思ったあたり)
なんていうか、相変わらずおこちゃまというかお嬢ちゃんなんだなあ…と思った。
その一方で「派手の島」に居た子と同窓会の数カ月前にアウトレットで遭って
何気に声をかけたら同窓会当日も相手の方からも声をかけてくれて。
「あ、いいやつじゃん!」ではないけど、お互いに年を取ったから、
「島」の意識をせずに「人間同志」として対等に話せるようになった気がした。
むしろ自分が属していた「島」の人間との方が「距離」を感じましたね。
その後、元自分のいた島の人間と年賀状のやり取りが途絶えたなんて
言わない。