Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

東京すみっこごはん 4巻 成田名瑠子

東京すみっこごはん 楓の味噌汁 (光文社文庫)
東京すみっこごはん 楓の味噌汁 (光文社文庫)
光文社
2018-09-11

あかん…物語に引きずられて自分を見失う。
いつもなら「すみっこごはん」に来た人は食べた後に
勇気や希望を見つけられるのに今回の3話中2話までもが
差し伸べた手を振り切って去って行ってしまう話。
一人は成人なので最後の最後に戻ってきてくれましたが
よりによって中学三年生の男の子話にはどうにもこうにも
涙が出て止まらず。
情けないことにこんな言葉も知らなかった。
p116

見えない貧困、もしくは相対的貧困。

ぼくの置かれている状況はそんな風に呼ばれているらしいことを、

スマホのニュース記事で知った。



高校に進学したい。けれどうちにはお金が無い。
就職しか選択肢はないのか。と思い悩んでいる少年が
「すみっこごはん」に来て「進学してもいいんだよ」と言う
言葉のプレゼントを受ける。
絶望の淵で受け取った「希望」を胸に
今までの遅れを取り戻すべき皆に勉強を教えてもらって
志望校をあと2つランクアップできそうな
そこまで頑張ったのに突き付けられた現実…
読んでいて胸が苦しくなりました。
救いは無いのか?これでこの話は終わるのか?
本来こんな子供の為に生活保護はあるべきものだと思うのに
必要な人には活用されずにいるこの制度。
生活苦を現実のものとして実感したことの無い人が作った
制度ゆえにここまで機能を果たしていないのか?
読んでいて悔しくて、悔しくて。
子どもがいつもすきっ腹を抱えているのは小説であっても辛い。
これはきっと小説だけの話ではなく現実にこんな風に
進路を断念しないといけない子どもが大勢いるのだろうな
と自分の無知さに打ちのめされた一冊。
政治家は一体何をしてんねん!!!!!怒