マル合の下僕(しもべ) 高殿円
- マル合の下僕
- 新潮社
- 本
内容紹介
瓶子貴宣は、月収10万円の私大非常勤講師。博士号を持ち実力も抜群なのに、指導教官の不祥事で出世の道を閉ざされた。しかも姉が育児放棄した甥、誉を養ってもいる。貧乏でも正規雇用を諦めない貴宣の前に、千載一遇のチャンスが。だが誉を引き取りに姉が現れ、家庭問題まで勃発─。奮闘するポスドクの未来はどうなる! ? 痛快かつ心温まる、極上のエンタテインメント。
- ポスドク! (新潮文庫)
- 新潮社
- 2017-12-23
- 本
文庫の時は『ポスドク!』に改題。
K大の院(99%京大のこと)を出ても上記の通りのワーキングプアの
主人公。月10万の収入だったらさっさと一般企業に行けばいいのに…
と思っていたら理由はこれかな?
p185~
「私、変 なんですよね」
「は?」
「瓶子先生もそうじゃないです?」
「な、何が…」
「〝外〟にでられなくないです?」
「外って」
「民間」
「外に出て民間の会社に就職しても,〝変〟な人って、
結局村八分されるでしょ」
「村八分って…」
「じゃあ、いじめって言えばいいですか。疎外とか、迫害とか。
まあ簡単に言えばすぐに目を付けられて、
いい感じの職場のサンドバックにされますよね。
あっという間に鬱になって退職するしかなくなる…
外の人達ってどんなにこっちが普通を取り繕っても、
ちょっとした喋り方や趣味や反応なんかですぐに
『こいつは変な奴だ』ってレッテル貼りたがるから、
嫌な思いをしたくなかったら外に出ないに限るんですよ」
あ、自分の事だ…と。
学生の頃は言われなかった「はるごんほわって変わってる」
「変わってるね」は社会人になって毎回言われた。
開き直って「私、変な人だから」って先手を打っているけど
それでもやっぱり「他とは違う」事の居心地の悪さは
「みんな一緒」になれる人にはわからないだろう。
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