上流階級 其の三 高殿円
- 上流階級 富久丸百貨店外商部 III (小学館文庫)
- 小学館
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今回も非常にてんこ盛りな内容。
というよりてんこ盛り過ぎてちょっと読むのに疲れるというか、
テーマが散見された気が。
自分の私生活が非常に疲れているから「エンタメ小説なんか読んでいる暇はない!」
という心理状態だからかもしれないけれど。
あるお客さん。
40代独身女性。実家は金持ち。
親は金持ち男との結婚という保険をかけたがる。うっとおしい…
そこで不登校になり引きこもっていたけれど、ネットで株の投資を始めたら
これが才能があったのかあっという間に稼げるように!
そして主人公が欲しい!とローン申請していた5千万ほどのマンションをあっさり
現金即買いした上、デパートの「その一角のインテリアを丸っと全部!」と
一千万のお買い上げをなさったほど!
そんな「お金を持っていて幸せな人に見える人」であってもこんな風に書かれている。
p285
「今週から母の姉が遊びに来ているの。その人は昔私をかわいがってくれていたらしいのだけれど、あんまり記憶は無い。だけど、顔を合わせるたびに言う。母よりキツい、『痩せろ』。
何をしても痩せろ。あんまりにもしんどいからメールでキレた。
口で言えないのが私が弱いところなのよね。
『なぜ私に対してそんなに無遠慮な言葉を吐くのか。人の容姿をどうのこうの言うことが、どんなにマナー違反で相手を傷つけるのかなぜ考えないのか』。そしたら、すぐにこんな風な返事が来た。
『あなたがかわいいから言っているのよ。他人だったらこんなことを言わない。あなたの為を思って言っているのよ。家族だから』」
『家族だから』相手が傷つくことも平気で言うし、誰かの前で無遠慮に自分の子や姪を貶める。それを謙遜で、人間関係を円滑に回すすべだと、長らく日本の社会は当たり前の様に受け止めてきた。
「百歩譲って、自分の事を自分で下げるには良いのよ。だけど、自分の子供や娘を他人の前で貶めて、なんで自分が謙遜したフリをするわけ?私はお母さんや伯母さんたちの謙遜の道具じゃない。謙遜したいなら自分を下げろ。私を使うな!」
そっか…私が先日の伯母の電話でキレたのもこんなことを感じたからか。
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