カーテンコール! 加納朋子
- カーテンコール! (新潮文庫)
- 新潮社
- 本
萌木女学園という女子大を舞台にした短編6作からなる本。
元々「小説新潮」に掲載されておりもしその号だけ読んでも
たぶん何の印象も残らなかったと思うけれど、一篇目の
『砂糖壺は空っぽ』と最後の『ワンダフル・フラワーズ』を
読んで初めて「こうくるか~」と作者が元々ミステリー作家である
という事を思い出させてくれる。
『砂糖壺は空っぽ』は掲載媒体が他の5編とは違うだけあって
これは本当に読み応え十分でした。
逆にこれがこれほどまでヒリヒリとした痛みと甘さと何とも言えない
感情で一気に読ませたから他がかすんでしまった…とも言えますが。
人生において学生時代の「つまずき」なんて微々たるもの。
あなたはまだ生きているじゃないですか。
それだけで十分なんですよ。まだまだやり直せるんですよ。
「ひまわり」の花言葉が『あなたは素晴らしい』。
家族に傷つけられてもそれを助けてくれる人が必ずいる。
まるで親の介護と家出に翻弄されている私へのエールの様に
思える一冊でした。
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