Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

ウチの江戸美人 いずみ朔庵

ウチの江戸美人
ウチの江戸美人
晶文社

『おっぱい先生』の隣に置いてあった一冊
表紙がかわいいので迷わずセレクト


いきなり現代女子ちゃんの家に江戸美人ちゃんが同居している
状態から話は始まっていて、いかなる経緯があって…という説明は割愛
されている。そこは突っ込んじゃいけないぜ、って感じ。
江戸時美人ちゃんを通じて現代のオシャレや風俗と比較する構成。
イラストがこれまた秀逸で肩苦しさを一切感じさせなくてすんなりと
江戸文化を楽しむことができる。
特に髪型なんて現代でも聖子ちゃんカット→ワンレン→ウルフと言った遍歴も
あるように江戸時代にもそれは存在し、著者の様に専門家から見れば
時代劇の髪型(日本髪)が「この時代ではまだこの髪型は無かったのに…
(経費の都合でカツラの使いまわしをしているとこうなるようで…)」
という感想になるのだとか。
また現代の私たちが和装する時はカツラをカポッと被るので日本髪が
いかなる状態で作られているのか一切不明ですが、髪の毛を解くと今で言う
「イモピン」レベルのものがポロポロ出てきてやっとあの形が作られるのだとか。


一番この作者のすごいところは、二人の女子は目鼻が無いいわゆる
「のっぺらぼう」なのに擬音の説明が入るだけで二人の表情が目に浮かぶところ!!
「きゃ!」という擬音だけで江戸美人ちゃんが真っ赤になって照れているのがわかる、
ってすごいなあ…と。(擬音擬態語だけで状況が伝わってきます)


あと現代の私たちの「言葉使い」が滅茶苦茶「下品」だと思い知らされます。

きれいだナー

きれいだねエ


そろそろ食べよっか

わあ おいしそうだねエ


おいしいねエ どこの仕出しだい

私が作ったんだよ


これも美味しいねエ 誂えたのかい

だから作ったんだよ

あえてどちらのセリフか注釈付けませんでしたが読めば一目瞭然!


最後に髪型一つ見れば「身分・職業」がわかるので時代劇で女性が
ほっかむりしているのは顔だけでなく髪型をかくして身分がばれない為の
ことだとか。知ってからまた時代劇を見ると違う楽しみ方ができるかも。


第二弾が発売される事を期待します!