秘密の花園 三浦しをん
- 秘密の花園 (新潮文庫)
- 新潮社
- 本
女子校出身のせいか女子校物が好きです
さらにチャペル・図書館・山の上にある学校・海が見えるなんて言葉が
続くと涙が出そうになります
p67~
三つ目の穴の存在に気がついたのは七歳のときだった。
(中略)
おもちゃ売り場は広大で騒がしく、親に連れられた同じ年頃の子がたくさんいた。父は兄に欲しいものを探すように言い、私には売り場から離れないようにと言った。
(中略)
父と兄はプラモデルの箱が並ぶ棚の前でしゃがんでいた。兄はちょっと私を見たけれどすぐに棚に視線を戻した。父が「どうしたの」と言った。
「おしり触られた」
恥ずかしさに悔しさが勝ってようやく私はそれだけ言った。
触られたのではないしお尻でもないが何と言えばいいのかわからない。
(中略)
「ふらふらしているからだ」
と父は言った。
何を言われたのかよくわからなかった。
「お父さんたちと一緒にいなさい」
私が初めて痴漢に遭った時それを母に伝えた時にこう言われた。
「あんたに隙があるからや」
それ以来、母には心を開かないようになった。
もし、今の私が痴漢に遭ったとしてそれを夫に伝えたら彼はどういう反応を示すのだろう?
見たい気もするし知りたくないような気もする。
にこやかに何も悩んでいないように見える女子高生の心の内は闇
しんみりとさせたところで1話目の主人公の名前は「那由多」。
これも思い出があって確かマンガで1巻だけ誰かに貸してもらって読んだ記憶が。
最後どうなるのか知らないままに大人になってしまった。
- 那由他(1) (フラワーコミックス)
- 小学館
- Digital Ebook Purchas
まだデジタルなら読めるんですね
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