丸の内魔法少女ミラクリーナ 村田沙耶香
- 丸の内魔法少女ミラクリーナ (角川書店単行本)
- KADOKAWA
- Digital Ebook Purchas
表題作:丸の内魔法少女ミラクリーナ・秘密の花園・無性教室・変容
何の気なしに背表紙のインパクトだけで借りたら偶然先の感想を書いた
三浦しをんさんと同じ題名の『秘密の花園』があってびっくり!
ところが同じ題名なのに受ける印象は真逆!
三浦版が女子高校生ゆえの潔癖さ・真面目さ・純粋さ…簡単に言えば
「処女性」が前面に出ているのに対してこちらの村田版は「非処女!」
って感じ。
『無性教室』は近未来で本当に現実になりそうなリアリティ。
高校まで「性」が「無い」状態で育つ・暮らす話。
高校に通うには「トランスシャツ」と言われる要は「胸を潰す」状態にした上での
制服着用。
人称は「僕」。
ショートカットにネクタイを締め、性別を詮索することはNG!
これはLGBTの人から見れば「うらやましい状態」なのかもしれない。
ただ人を好きになるのに「性別は必要なのか?」という問いがあるような気がする。
男でもなく女でもなく。「その人」だから好き!という状態が一番。
『変容』はこれまた近未来でそう言われたらそんな気がする…とこの作者の術中に
ハマった気がする読後感。
一瞬にして流行る「若者言葉(e.gエモい・尊み)」「ファッション」。
もしこれが「誰かによって方向性を決められている」としたら?
文中では「ワンピースに腹巻を巻く」のが流行っているのだけれど、それはやりそう…
何回も同じ写真を使いまわしているけれど、こんな風に「変!」なのに誰かが流行らせるとみんな右に倣えをして「普通」になる「流行」という得体のしれない現象。
一編目は「正義もやり過ぎるとただの暴力」と笑っているのは初めの内だけで段々「怖くなる」話ばかりでした
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