Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

誕生死 流産・死産・新生児死で子をなくした親の会・著


誕生死
誕生死
三省堂

読むのが苦しかった
お母さんそしてお父さんの嘆き・悲しみ・後悔・そして怒り…
あらゆる負の念が込められていて中々読み進めなかった


おなかの大きな女性がいて、ある日その人のおなかがぺったんこになっていた
私たちは無邪気にそして残酷に笑顔で聞く
「生まれたの?男の子?女の子?」と
彼女を絶望に追い込むことを知らずに…



2002年に発行されて図書館では「書庫」扱いにされていましたが
出来れば一般開架に「出産」の棚と同じ場所において欲しいです


あとがきよりp209~

英語ではおなかの中で亡くなったケースを"STILLBORN"といいます。

日本語では単に「死産の」と訳されますが"STILLBORN"には

「それでもなお生まれてきた」という深い含みがあり、

「死産の」という日本語ではあまりにそぐわないと私たちは感じてきました。

(中略)

おなかの中でなくなってしまった場合は、戸籍にも載らず、存在がなかったことになってしまいます。(中略)

たとえ子宮という小さな世界から、生きて外に出てくることがなかったとしても、あるいは生まれてすぐになくなってしまったとしても、私たちにとっては確かにわが子は「誕生した」のです。

p4~5  SIDS家族の会「小さな赤ちゃん あなたを忘れない」より転載
(レオナルド・クラーク)

STILLBORN


私は希望に満ちて、あなたを宿していた

その、長い9ヶ月の間

私は思い出す

あなたを宿したあの親密な時を

時々蹴ったり、動いたりしているのを感じた

あなたが私の中でゆっくりと成長するにつれ

あなたはどんな子かしらと

あなたの濡れた頭が、覗いたとき

女の子?男の子?

なんという、喜びの瞬間よ

私はあなたの産声を聞くはずだった

そして、あなたにこんにちはと言うはずだった

あなたのために、みんな揃えて

あとはあなたを迎えるばかり…

手足ににじむ汗

私の小さな呼び声が夏の空に混じり

あなたは産まれた

あなたは産声をあげなかった

私たちはこんな事になるなんて、思ってもみなかった

あなたの誕生は意味がなかったの?

それともあなたが私を見捨ててしまったの?

人々はあなたを生きていなかったと言うでしょう

あなたを死産と記録するでしょう

けれどもあなたはあの時からずっと生きていました

私の暗いお腹の中で

そして今、私があなたを思う時

あなたの死は本当だったのですね

でも、私にとってあなたはやはり産まれてきたのです

私はあなたを永遠に忘れないでしょう

私の赤ちゃん

あなたはいつでも、私と一緒

今も、ずっと私のもの

生も死も、同じように意味があるのです