Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

鹿乃江さんの左手 青谷真未

([あ]8-1)鹿乃江さんの左手 (ポプラ文庫 日本文学)
([あ]8-1)鹿乃江さんの左手 (ポプラ文庫 日本文学)
ポプラ社

女子校&図書室という「大好物」の匂いプンプンで借りた一冊。
そりゃあ…過去の自分と重ねますからね。
ところがこの学校「魔女」がいるという…
3篇収録されていて全篇に「魔女」が登場するけれどその正体は結局わからず、
また奇妙な校則の理由もわからず…と謎のまま終わってしまうのですが
それについて突っ込みをするだけ野暮!という位、グイグイと内容に魅かれて終了!
タイトルの意味は分からずむしろ投稿時の題名『花の魔女』の方がぴったりだと
思うのに…
これって『スマホを落としただけなのに』と同様にキャッチーな方が売れるから…
なんでしょうねえ…


2篇目は失ったもの(こと)を思い出して読んでいてヒリヒリ…
ぐっ…っと息を詰めて読んでいたと言う…(めっちゃ引き込まれた…)


3篇目に至っては「完璧かつ硬質な百合小説」でした。
たぶん、この繊細なテイストが苦手な人には「ちっともわからんかった…」という
感想になると思うので読み手の感性にかなり読後感が左右される一冊。
とてもデビュー作とは思えないしっかりした文章でこの作家さんをより一層好きになる。
お勧め本にしたいけれど読み手を(かなり)選ぶ一冊

読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)
読書嫌いのための図書室案内 (ハヤカワ文庫JA)
早川書房

↑さすがにこれを書いた人だけのことはある