Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

世界がぼくを笑っても 笹生陽子

世界がぼくを笑っても (講談社文庫)
世界がぼくを笑っても (講談社文庫)
講談社

今回は父子家庭の中学男子が主人公
中一の時の担任のクラスが学級崩壊をしたがために2年次では
「肝入りの先生が赴任してくる」と裏学校サイトで知った主人公。
どんな先生かな…と期待と不安を胸に始業式に出てみれば
「え?この人???まさかね…」と否定する方が正しいぐらいの
「大丈夫か?この人??マジか?!」という位
真剣に中学生に同情・危惧される迷走ぷりの先生。
本人はいたってマジ目に取り組んでいるのに滑る、滑る、滑る~~~~~
お前は子供か!!!状態。
そんな何とも言えないクラスの中で様々な事件が…


とまあ、生き生きとした中学生生活、の話ではあるのだけれど
題名と若干違和感が。出だしと、最後の〆に一貫性が無いというか。
詰め込み過ぎましたね、感は否めない。


「肝入り」の先生はこの担任ではなくむしろ「ダメダメすぎる先生を
生暖か~く見守ってくれる中学生」が「この人に期待しちゃだめだ。自分たちが
シッカリせねば!」という自覚を即す、という意味では「肝入りの先生」
評価になるのかもしれない。というのも
最後の最後に担任が草野球をするので生徒が(わざわざ)応援に来ている場面でp169

「思うんだけど、ああいう人は、みんなで育てりゃいいんだよ

トウモロコシと同じで」


ああ、言っている生徒の方が大人!!!!笑


その一方で生徒がドジっ子担任を見捨てない要素としてp138

「でしたら、こういうやりかたもある、というのを覚えておいてください。ひょっとすると、何かの役に立つ日が来るかもしれません。

誰かにひどく笑われた時は、笑い返せばいいんです。

自分を笑った人間と、自分が今いる世界に向けて、これ以上は無いという位、元気に笑えばいいんです。そうすると胸がすっとして、弱い自分に勝てた気がします。

今まで、散々笑われて生きてきた僕の特技です」

教師が生徒に説教している感じは、全くしなかった。

友だち同士が、内緒話をしているみたいな言い方だった。

そう言う教師が理想だなんて、オレはちっとも思わない。

でも、そんなんだから、かえって素直に話を聞けたんだと思う。

人柄ですね。
まあ、これが一番題名に通じる箇所かな???