貧乏神あんど福の神 田中啓文
- 貧乏神あんど福の神 (徳間文庫)
- 徳間書店
- 本
「死神」の次は「貧乏神」と来ましたか…てな感じですが
別に意識したわけでもなく書架に並んで置いてあっただけの話。
本作時代小説です。江戸時代末期位の。
この手の話は「江戸」が話の舞台になることが多いと思うのですが
本作は「大坂」です。そうなると一気に「庶民」モードになりまして
話し言葉がねえ、もう「コテコテ」なんですわ。
p13
「それで、これがお代でおます。たしかめとくなはれ」
p29
「おとなしゅう金を出したら、このまま店に帰したるけど、
逃げたらひっつかまえて、ぼこぼこにどつくさかいな」
p31
「おぼえてけつかれ」
…
…
…
関西人でも普段使わないお上品な言葉使いが全編を覆っております!!笑
ある意味上方落語を聞いているようなそんな感じ。
悪くはない、と思うんですよ。
医者が片手間に道楽で小説を書いている本に比べたら数倍面白い。
ただ、それが売れるのか、と言えば世の中そううまく行かなくて。
実際「福の神」の正体を明かすことなく終了。
それって編集が「先生、この本が売れたら続巻を書いてもらいまひょか。
なに、人気が無かったらこれまでってことで一つよろしくたのんま」みたいな感じ。
ふと「契約社員ならぬ契約作家」みたいな言葉が頭に浮かんだ次第。
では正社員作家とはなんぞや?となると過去に大当たりして賞を取って出版社に
恩恵を与え、今ではキレがなくただただ長いだけでちっとも面白くないけど
名前だけでとりあえずは売れる「宮×みゆき」みたいなあんな感じの作家?
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