Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

神様の御用人4 浅葉なつ

神様の御用人4 (メディアワークス文庫)
神様の御用人4 (メディアワークス文庫)
KADOKAWA

ラノベの中では超お気に入りのシリーズ。
長く読んでいなかった…というよりも予約多数で回ってくる気配が無かったので中断していた。
このシリーズのコンセプトとして「神様も人の子の信仰が無ければ力がそがれてしまう」
というものがあります。力が無くなった神様は段々造形も若返り子供の様な風貌に
なってしまい今回の神様=紀州の天道根命(あめのみちねのみこと)は姿はもちろん
「私は一体何者?そしてこのかんざしは何を意味するの?」と記憶すらなくなって
しまいまるで認知症患者の様な痛々しさが全体を覆っていました。
「わすれないで!!!!」という言葉。
絶対に忘れてはいけない自己の存在意義すらもう記憶があいまいになって行く…
その一方で絶大なオーラを放っているのが大国主神(おおくにぬしのかみ)と
その嫁の須勢理毘売(すせりびめ)=須佐之男命(すさのおのみこと)の娘、
の描写は長身の美男美女のオーラダダ洩れの存在感。
信仰のあるなしがこれほどまでにも神様に影響を及ぼすとは…


本文の冒頭に京都・祇園祭の描写がある。こうやって綿々と続く祭りや信仰の
現れがある反面、村の鎮守の神様たちは村の消滅と共に姿を消していく…
今、コロナで旅行も行けず神社仏閣にも詣でることができない。
これは近い将来、現実に神様たちが居なくなってしまうのでは?と思ってしまう。


この『神様の御用人』の1巻を読んで以来、神社に詣でる時の意識を変えました。
それはその土地の神様に対して



「今日は、ここに参ることができたことを感謝いたします。
いつまでもこの地に穏やかな風が吹いていますことを…」


と伝える様になりました。


人間一人が全国すべての神社を巡ることは出来ない。
ならば、全国に住む日本人一人一人が近くの神社に詣でて
同じように「土地の平安」を願えば神様に願いが届くのではないのか、
と思います。