マドモアゼルのお約束 伊藤緋紗子
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サブタイトル的に「スタッフ男爵夫人のマナー術」とあります。
「はじめに」によりますとスタッフ男爵夫人とは19世紀末のフランスにおける
上流階級だけのものだったマナー本を庶民に向けて著した事で知られ
ヨーロッパでは「マナーの母」と言われているのだそうです。
そのマナー本をベースとした著者によるマナー本的エッセイ。
比較するのは失礼ですがやはりベストセラーになっただけの事はある、
としか言いようがありませんがスタッフ夫人の教えの方が重厚感と不変さを
感じる内容です。
特に「心の持ち方のマナー」は現代でも十分通じる内容だと。
p103 男爵夫人の教えレッスン17
静かに主張する
もしもあなたの意見と他の方が一致しない時、ふてくされた表情をしないこと。
よく討論で下品な言葉を並べて、度の過ぎたしぐさと共に反論する人がいますが、これほど粗野で乱暴な自制心の無さを表す行為は無いと思います。
例え彼らが間違えているとしても、あなたと異なる考え方をする人がいることに耐えうる人間になりましょう。
そしてあなたの意見を静かに主張なさい。
そして最後に微笑みながらこう言いなさい。
「これまでにしておきませんか。
私たちはウマが合いそうにもありませんから」
p111 男爵夫人の教えレッスン18
忘却を呼び寄せる
他人から傷つけられて、その受けた苦痛が、相手を許すには、
あまりにも大きすぎる努力を伴うのなら、まずは憎しみの素となる事や
相手から遠ざかりなさい。許せないなら、忘却を呼び寄せるのです。
「受けた悪に対し、善を返す」という事は、道徳のみならず、
マナーにおいても最高に美しい、気高い行為です。
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