Noblesse Oblige  ~ノブレス・オブリージュ~

いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。すべての事について、感謝しなさい テサロニケ人への第一の手紙5章16節~18節

私たちが星座を盗んだ理由 北山猛邦

私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)
講談社
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メルヘンチックなイラストとファンタジーな題名を表題作とした
5編からなる短編集。
しかし最後の一行で一転する作風。
例えば一作目。ホームの向かい側に立つ憧れの先輩。恋のおまじないをして
少しでもうまく行きます様に…と健気な恋心。胸キュンキュン!とおもいきや
最後の一行で「…ホラーかよっ!!!!!!!」
5編ともそんな感じでいわばゲームのリバーシ(=オセロ)のごとく
たった一枚で白が黒に一気に変わる。
しかしゲームの様な「爽快感」は一切なくむしろ「真実なんてほんとは知りたくなかった」
みたいなモヤモヤ感というか、言いようのない不快感しか残らない。
いわば「Aさんが貴女の悪口を言ってたわよ」と真意はどこにあるのか不明だが
ご親切に言ってこられたあの感覚と似ている。
ただでさえ現実が閉塞感で息が詰まりそうなのに小説でさらにこんな不快感を
味わいたい人がいると思っているんだろうか?